昭和の終わりから平成にかけ、関西の小劇場演劇ブームの一翼を担った兵庫県の伊丹市立演劇ホール「アイホール」の存続が危ぶまれている。「劇団☆新感線」や平田オリザさん主宰の「青年団」が公演し、舞台芸術の拠点として親しまれてきたが、市がコストなどを理由に用途転換を検討。危機感を募らせた関係者や市民は、劇場の存続を求めて署名活動を始めた。
アイホールは、バブル経済まっただ中の1988年、JR伊丹駅前にオープンした。当時、舞台芸術に特化した公共施設は全国的に珍しく、「市外から人を呼び込む広告塔」としても期待された。
3階建てで、延べ床面積は約2400平方メートル。建設費は約12億円。特徴は3階までの吹き抜け天井を持つイベントホール(最大300席)だ。細かく分割した床を昇降させて舞台と客席を自由に設定できる点が「個性的で求心的な空間」と演劇人やファンを引きつけてきた。
こけら落としは「劇団☆新感…
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り:1505文字/全文:1905文字
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル